冬のピラミッドピークを登ってみたい!

登山探検 冬のピラミッドピークを登ってみたい!

西穂高岳■(新穂高コース)丸山西穂独標ピラミッドピーク

昨日は快晴の焼岳を存分に楽しみ、その余韻に浸りながら新穂高の第3駐車場で車中泊。夜が明けると、4月の北アルプスらしい、凍てつくような冷気が車内にまで忍び寄ってきます。今日の目的地は、その名の通り鋭利な角を突き立てたような「ピラミッドピーク」。春とはいえ、標高2,000mを越える世界は完全なる雪山です。

新穂高ロープウェイから笠ヶ岳
西穂山荘と焼岳

朝一番の新穂高ロープウェイに乗り込み、一気に高度を上げます。ゴンドラの窓から外を覗くと、目に飛び込んできたのは真っ白に雪化粧した笠ヶ岳の雄姿。
「おぉ…」と思わず声が漏れます。雲の切れ間から顔を出す険しい山肌は、これから始まる雪山登山への期待と緊張感を一気に高めてくれました。西穂高口駅の外に一歩踏み出すと、そこには厳冬期の面影を色濃く残す西穂高岳が、圧倒的な存在感でそびえ立っています。

新穂高口から西穂高岳

丸山を過ぎ、独標へと向かう道中、状況はさらに厳しさを増します。登山道を覆う雪が深く、本来あるはずの岩が全く見えません。アイゼンを効かせて歩くものの、場所によっては一歩踏み出すごとにズボッ、ズボッとはまり、時には腰まで埋まってしまうことも。
「これは…かなりのラッセルだ」
独標にたどり着き、そこから見上げる西穂高岳は、どこまでも険しく、雪と岩のコントラストが鋭く切り立っていました。

新穂高口から焼岳

ここから先が本番です。森林限界を抜け、稜線に出ると風が強まり、視界には西穂高岳へと続く白銀の険しい岩稜帯が広がります。

独標から西穂高岳

なんとかピラミッドピークまで辿り着きましたが、目の前の稜線はさらに雪が不安定で、どこにクラックがあるのか判別がつかない状態です。

ピラミッドピークから西穂高岳

ここで、巡回中の山岳パトロールの方と遭遇しました。 「この先は雪が深く、岩の隙間に踏み抜く危険が非常に高いよ」とのアドバイス。

ピラミッドピークから独標
西穂山荘から西穂高岳

北海道の山で培った経験からも、この時期の「見えない岩の隙間」の恐ろしさは重々承知しています。山頂への未練はありますが、プロの助言に従い、今日はここで引き返すのが最善の判断。安全を優先し、パトロールの方と記念に一枚撮影して、帰路につきました。

山岳パトロールと共に
西穂山荘の主

「あの方が、あの有名な…」と、心の中で少し興奮しながらも、厳しい自然の中で生きる方の凛とした佇まいに、撤退の悔しさもスッと消えていくようでした。
下山後は、道の駅「上宝」へと移動。車を停め、心地よい疲労感の中で明日の戦略を練ります。今日はピラミッドピークで勇気ある撤退をした分、足にはまだ力が残っている。
明日は、いよいよ槍ヶ岳。 4月の北アルプス、その深淵にまた一歩踏み込みます。

新穂高コース(丸山~西穂独標~ピラミッドピーク)日帰り
タイム:8:40 西穂高口 → 9:30 西穂山荘 → 11:20 ピラミッドピーク → 12:40 西穂山荘(昼食)13:35 → 14:15 西穂高口