
登山探検 前穂高から岩稜帯を縦走してみたいⅡ!
前穂高岳◆(重太郎新道)~奥穂高岳(岩稜大縦走コース)~涸沢岳~北穂高岳~南岳~中岳~大喰岳~槍ヶ岳(槍沢コース)

穂高山荘から朝日と涸沢

朝日を浴びる穂高山荘
朝6時、穂高岳山荘のテラスは静かな興奮に包まれていました。東の空が白み始めると、眼下の涸沢カールが淡い光に照らされ、山荘が朝日に染まる「アーベントロート」ならぬモーニングロート。この瞬間を見られるのは、山に泊まった者だけの特権です。

涸沢岳から中央に大キレット・右に北穂高岳南峰と北峰
標高3000mの稜線は風が冷たく、この日は終日合羽を着込んでの行動となりました。6時10分、まずは山荘の背後にそびえる涸沢岳への急登からスタートです。朝一番の体に岩登りは応えますが、山頂に立つと、これから向かう「大キレット」の深い切り込みと、その先に天を突く槍ヶ岳がはっきりと見えました。

北穂高北峰から大キレット

北穂高北峰から手前に獅子鼻岩
いよいよ今回の最難関、大キレットへと足を踏み入れます。V字状に深く切れ落ちた岩の回廊。慎重に、一段ずつ手足を置いて下りていきます。飛騨側から吹き付ける風を感じながら、岩の殿堂を独り占めしているような感覚。振り返れば、つい先ほどまでいた北穂の絶壁が壁のように立ちはだかっています。

南岳獅子鼻岩から大切戸
最低コルを通過し、登り返して南岳小屋に到着したのは11時40分。ここで楽しみにしていた「カレーライス」を注文。岩場での緊張が続き、エネルギーを使い果たした体に、スパイスの効いたカレーが染み渡ります。小屋のスタッフさんの温かい笑顔にも癒やされ、後半戦への元気をチャージしました。

大喰岳から飛騨乗越と槍ヶ岳
南岳の山頂から先は、これまでの険悪な岩場とは少し趣が変わり、広々とした稜線歩きが楽しめます。南岳の「獅子鼻岩」から大キレットを振り返ると、よくあんな場所を歩いてきたものだと自分を褒めたくなります。

槍ヶ岳山荘と槍ヶ岳
中岳、大喰岳と3000m峰を贅沢に繋いでいく道。このルートの素晴らしさは、常に正面に槍ヶ岳を見据えて歩けることです。大喰岳から飛騨乗越へと下る頃には、槍ヶ岳山荘と、天に突き刺さる「槍の穂先」が眼前に迫り、疲れも吹き飛びます。

槍ヶ岳山荘から裏銀座の山々
14時40分、槍ヶ岳山荘に到着。冬に一度宿泊したことがありますが、無雪期の賑わいもまた良いものです。受付を済ませ、荷物を置いてすぐに穂先へ向かいました。
槍ヶ岳の上部はほぼ垂直に近い梯子の連続。30分かけて慎重に登り詰め、15時05分、ついに槍ヶ岳山頂へ!

槍ヶ岳上部

槍ヶ岳山頂部

眼下には槍沢の曲線美と、殺生ヒュッテ、ヒュッテ大槍の赤い屋根

槍ヶ岳山頂から左に鋭利な刃物のような北鎌尾根と独標

槍ヶ岳山頂の祠
小さな祠にお参りし、この絶景を心に焼き付けました。宿泊費は14,000円。快適な山荘で、翌日の下山に備えてゆっくりと体を休める、最高に贅沢な夜となりました。

背後には西に裏銀座の山々、南には今日歩いてきた穂高連峰の険しい稜線
【登山データ:2日目】
コースタイム合計: 約8時間10分(+穂先往復1時間15分)
穂高山荘6:10~涸沢岳~8:30 北穂高岳~10:35 大キレット~11:40 南岳小屋(カレーライス休憩)~13:15 中岳~14:40 槍ヶ岳山荘
槍ヶ岳山頂15:05~15:35 槍ヶ岳山荘(宿泊)
歩行距離: 約7.3km・累積標高差: 登り1,085m/下り985m・宿泊費: 14,000円(槍ヶ岳山荘)




