
記憶の箱舟 日本の神話や神々を知るための基本知識を!
日本の神話や神々を知るための基本知識
基本は『古事記』と『日本書紀』という2つの古典を理解し、その中で語られる神々の家系や、特に重要な「三貴子(みはしらのうずのみこ)」の物語を押さえることが重要だ。
1. 二大古典を知る(情報のソース)
日本の神話は、主に8世紀初頭に成立した以下の2つの文献(記紀)に基づいている。
『古事記』 (712年): 天皇の歴史の正当化を目的とし、神話が物語調で語られている。神社などで語られる神話の多くは『古事記』の物語がベースになっている。
『日本書紀』 (720年): 国の公式な歴史書(正史)として、中国など外国に見せるために編纂された。多くの異説(別の物語)を収録している。
2. 神話の基本ストーリー(流れ)
・天地開闢(てんちかいびゃく): 世界の始まり。神々(別天津神・神世七代)が誕生。
・国生み・神生み: 伊邪那岐(イザナギ)と伊邪那美(イザナミ)が島々(日本列島)や様々な神々を生む。
・黄泉の国: イザナミが死んで黄泉の国へ行き、イザナギがそこを訪れる。
・禊(みそぎ)と三貴子の誕生: イザナギが穢れを落とすために禊をし、最後に最も尊い3柱の神が生まれる。
・天照大御神(アマテラス): 太陽の神、高天原(天界)を統べる。
・月読命(ツクヨミ): 夜の神、月を統べる。
・須佐之男命(スサノオ): 海・嵐の神、荒ぶる神。
・天岩戸(あまのいわと): スサノオの暴れぶりにアマテラスが岩戸に隠れ、世界が暗闇になる。
・国譲り・国造り: 大国主命(オオクニヌシ)が出雲で国を治めていたが、アマテラスの子孫に国を譲る。
・天孫降臨(てんそんこうりん): アマテラスの孫、邇邇芸命(ニニギ)が地上に降りて統治する。
3. 主要な神々とその属性
・伊邪那岐・伊邪那美(イザナギ・イザナミ): 創造の神(夫婦神)。
・天照大御神(アマテラス): 天皇家の祖先とされる神であり、伊勢神宮に祀られる最高神。
・須佐之男命(スサノオ): ヤマタノオロチを退治した英雄。出雲大社の神(大国主)と深い関わり。
・大国主命(オオクニヌシ): 因幡の白兎を助け、国造りをした神。縁結びの神として知られる。
・少名毘古那神(スクナビコナ): オオクニヌシの国造りを手伝った、小さい神(知恵の神)。
・天之御中主神(アメノミナカヌシ): 天地開闢(かいびゃく)の最初に現れた中心の神。
4. 基本的な考え方(神道)
・八百万(やおよろず)の神: 自然界のすべてのもの(山、川、雷、火、道具など)に神が宿るという考え方。
・「穢れ(けがれ)」と「禊(みそぎ)」: 神道では死や病気、汚れを「穢れ」とし、水で洗い流して清めること(禊)を重視する。
・「むすひ(産霊)」: 物を生み出す力。高御産巣日神(タカミムスヒ)など、「むすひ」を持つ神が重要視される。

空間的区分
1. 天津神(あまつかみ)
定義: 天上界である「高天原(たかまがはら)」に住む神々、または高天原から由来する神々。
代表: 天照大御神(アマテラス)、高御産巣日神(タカミムスヒ)、瓊瓊杵尊(ニニギ)など。
特徴: 天孫降臨の際に付き従った神々や、その子孫。多くが大和朝廷を支えた豪族の祖先とされる。
2.国津神(くにつかみ)
定義: 天孫降臨以前から地上界(葦原中国・あしはらのなかつくに)に現れ、鎮座していた土着の神々。
代表: 大国主神(オオクニヌシ)、事代主神(コトシロヌシ)など。
特徴: 山野や河川、土着の自然神や、出雲系の神々が多く含まれる。国譲りによって天孫(天津神の系統)に国を譲った。
3. 人皇(じんのう)
定義: 神々(神代)の系譜を引き、人としての姿で即位した天皇の称。特に、神代(神々の時代)が終わった後の、神武天皇から現代に続く天皇の系譜を指す。
特徴: 天津神の系譜(天照大御神の孫のニニギの子孫)が、地上を統治する形をとる。神話から歴史へ移行する区切りとなる。

神話の主な区分
1. 天上の世界(高天原)の神話
天上界は、天津神(あまつかみ)たちが住む、天照大御神が治める世界です。
・天照大御神(アマテラスオオミカミ)の関連神話:高天原の最高神。天岩戸(あまのいわと)の騒動など、舞台の多くは高天原です。
・国譲り神話(の始まり~前半部分):天上界の天照大御神が、「地上の国(葦原中国)は自分の子孫が治めるべきだ」として、地上に使いを派遣する決定を下す場面は高天原です。
2. 地上の世界(葦原中国・出雲・日向)の神話
地上の世界は、国津神(くにつかみ)や人々が住む、後に天皇の祖先が統治する世界です。
・国生み・神生み(イザナギ・イザナミ):天上で命を受けた二神が、天沼矛(あめのぬぼこ)で地上の渾沌をかき回し、大八島(日本列島)を生み出す場所。
・国譲り神話(の後半部分・オオクニヌシ):地上を治めていた大国主神(オオクニヌシ)が、天津神からの要請を受けて国を譲る物語。地上の出雲地方が舞台です。
・天孫降臨(てんそんこうりん):天照大御神の孫、ニニギノミコトが天上の高天原から、地上の高千穂(筑紫の日向)へ降り立つ物語。
※天津罪・国津罪(あまつつみ・くにつつみ)罪の区分
神話の中では罪の区分もあり、天津罪は「稲作(農業)を妨害する行為」、国津罪は「社会秩序を乱す犯罪的な行為」とされている。

罪の区分(神話の中には罪の区分がある。)
1. 天津罪(あまつつみ)— 高天原の罪
天上の神々の世界「高天原」で、須佐之男命(スサノオ)が犯した罪に由来する。
高天原の神聖な農耕秩序を破壊する行為(畔放、溝埋、播種、糞戸など)を指し、天上界の神々が本来あるべき姿を乱す罪として「天」の罪と名付けられた。
2. 国津罪(くにつつみ)— 地上の罪
地上世界「葦原中国(あしはらのなかつくに)」に土着していた国津神(くにつかみ)や人々が犯す、あるいは地上で発生する罪で、人を傷つける、獣による被害、死や疫病に関連する罪など、人間社会の秩序や神聖を汚す行為を指すため、「国(地上の世界)」の罪と名付けられた。


