
登山探検 荒川岳・赤石岳を登ってみたいⅠ!
荒川岳◆(蕨段コース)千枚岳~丸山~悪沢岳~中岳~前岳~小赤石岳~赤石岳

南アルプスの最深部。登山家なら誰もが一度はその頂を夢見る「荒川三山」と「赤石岳」。今回は8月下旬、夏の締めくくりとして、2泊3日の壮大な縦走に挑んできました。北海道の山々とはまた違う、スケールの大きな南アルプスの懐に飛び込んだ1日目の記録です。
旅の始まりは、前泊した白樺荘(畑薙山荘)から。南アルプス南部への入山は、この東海フォレストの送迎バスに乗ることから始まります。ガタガタと揺られること約1時間、ようやく登山口となる「椹島(さわらじま)」に到着しました。

Rest Hous 椹(さわら)

この先に滝見橋が
目の前に広がるのは、豊かな森と澄んだ空気。ここ「椹島」は、まさに登山者のためのベースキャンプです。準備を整え、8時35分、いよいよ憧れの稜線を目指して一歩を踏み出しました。
椹島からの標高差は約1,500m。初日からかなりの急登が予想されます。まずは「滝見橋」を渡り、登山道へと入っていきます。

滝見橋
最初は涼しげな沢の音を聞きながら歩いていましたが、次第に南アルプス特有の深い樹林帯へ。8月下旬とはいえ、標高の低いエリアはかなりの熱気です。直射日光は遮られているものの、無風の状態が続き、体中の水分が汗となって吹き出してきます。
あまりの熱気に耐えきれず、途中で登山道を外れたスペースを見つけて小休止。思い切ってインナーのタイツを脱ぎ捨てることにしました。これだけで足取りがぐっと軽くなり、南アルプスの急登に立ち向かう気力が復活!登山において「レイヤリングの調整」がいかに重要か、身をもって体感した瞬間でした。

見晴台から小赤石岳・赤石岳方面
黙々と続く登りを経て、ようやく「見晴台」に到着したのは12時45分のこと。ここでようやく、これまでの疲れを吹き飛ばすご褒美が待っていました。
樹間の先に、ドーンと姿を現したのは小赤石岳と赤石岳!「あんなに高いところまで行くのか……」という畏怖の念と、「あそこまで歩くんだ!」という高揚感が入り混じります。赤茶けた山肌が太陽に照らされ、力強くそびえ立つ姿は、まさに南アルプスの王者の風格。北海道の十勝岳連峰とも違う、重厚な岩の塊に圧倒されます。

千枚小屋から赤石岳方面
見晴台を過ぎると、周囲には少しずつ高山植物の姿が見え始めました。シナノキンバイやハクサンチドリなど、色とりどりの花が揺れる光景は、厳しい登りの中での一服の清涼剤です。
14時45分、ようやく本日の宿泊地である「千枚小屋」に到着しました。森の中から突然現れるこの小屋は、まさに登山者のオアシス。長旅の疲れを癒してくれる、温かい雰囲気に包まれています。

千枚小屋
まずは受付へ。スタッフさんの「お疲れ様でした!」という言葉が心に沁みます。売店には冷えた飲み物や魅力的な山バッジが並び、思わず手が伸びてしまいます。

千枚小屋受付&売店
小屋の広場で一息ついていると、空の様子が変わってきました。太陽が山の向こう側に沈み始めると、雲の隙間から「反薄明光線(エンジェルラダー)」が降り注ぎました。
光の柱が天に向かって伸びていく幻想的な光景。明日から始まる、悪沢岳、中岳、そして赤石岳への縦走を祝福してくれているかのようです。明日はいよいよ3,000m級の稜線歩き。期待を胸に、静かな山の夜へと入っていきました。

千枚小屋広場から反薄明光線
この写真は赤石小屋前の広場からの写真で、反薄明光線(はんぱくめいこうせん・この写真では反対側(背)に太陽があります。)ですが、逆に薄明光線があります。
薄明光線は、太陽が雲や山などの障害物の後ろに隠れているときに、その隙間から太陽光が漏れ出し、光の柱のように放射状に見える現象で、「天使のはしご」や「ヤコブのはしご」とも呼ばれます。その反対が反薄明光線があり、薄明光線が空を横切って太陽と正反対の方向に伸び、その点で収束するように見える現象です。日本では「裏御光(うらごこう)」や「天割れ(てんわれ)」とも呼ばれます。この美しい光景は、光、大気、そして人間の視覚が織りなす神秘的な自然現象です。


不思議な光景ですが、太陽はこの画像の反対側(西)にあり、その太陽の光が雲間から漏れた光が東側の空にこのような筋を描いています。これが反薄明光線です。
【登山データ:1日目】
コース行程: 椹島(8:35)→ 滝見橋 → 見晴台(12:45)→ 千枚小屋(14:45着)
登山口情報: 静岡県・椹島(東海フォレストの送迎バス利用が必須。詳細は東海フォレスト公式サイトを確認してください)
山の特徴: 南アルプス北部に位置する荒川三山(悪沢岳、中岳、前岳)の東の玄関口。樹林帯の急登が長く、体力が必要。
危険箇所: 1日目のコースにおいて大きな崩落箇所や危険な岩場は少ないが、標高差が大きいため熱中症や脱水症状に注意。
見どころ: 見晴台から望む赤石岳のパノラマ、千枚小屋周辺の高山植物。
装備のポイント: 樹林帯が暑いため、脱ぎ着しやすいウェアが必須。水場が限られるため、十分な水分を。
宿泊地: 千枚小屋(要予約。水場あり、トイレ清潔、食事も美味しいと評判の小屋です)



