
歴史物語として神話を見てみると何がわかるのか!Ⅰ
日本神話、特に『古事記』や『日本書紀』に記されている物語は、天地開闢から神武天皇の即位に至るまで数多くのエピソードが存在します。物語の節目や主要な神々の代表的な物語を時系列と系統別に整理すると次のようになりますが、これらを神話としてではなく、歴史と照らし合わせて歴史物語として考えてみると日本の歴史の隠れた部分が見えてきます。
それは、今日まで続いてきた天皇制を含め、日本人のルーツを認識するきっかけとなるのではないかと考えます。
また、前述した記紀(『古事記』『日本書紀』)の主流な物語以外にも、日本各地の伝承を集めた『風土記(ふどき)』や、特定の神々に焦点を当てた興味深い神話が数多くあります。
それらも特筆すべき「もうひとつの日本神話」としていくつか挙げます。

目 次
1 天地開闢と神々の出現(神代上)
・天地開闢(てんちかいびゃく):世界の始まり
・造化三神(ぞうかのさんしん):最初の三柱の神の出現
・神世七代(かみよななよ):イザナギ・イザナミまでの七代
・国生み(くにうみ):日本の島々が生まれる
・神生み(かみうみ):多くの神々の誕生
・火の神カグツチの誕生とイザナミの死
・黄泉の国(よみのくに):亡き妻を追うイザナギ
・禊祓(みそぎはらえ):筑紫の阿波岐原での浄め
・三貴子(みはしらのうずのみこ)の誕生:アマテラス・ツクヨミ・スサノオの誕生
2 高天原と出雲の物語(神代中)
・アマテラスとスサノオの誓約(うけい)
・天の岩戸(あめのいわと):太陽が隠れる物語
・五穀の起源(オオゲツヒメの死)
・スサノオの追放
・八俣の大蛇(やまたのおろち)退治
・草薙剣(くさなぎのつるぎ)の発見
・因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)
・大国主(オオクニヌシ)の試練と根の国
・スクナビコナとの国造り
・オオモノヌシと三輪山
・国譲り(くにゆずり):タケミカヅチの降臨
3 天孫降臨と日向神話(神代下)
・天孫降臨(てんそんこうりん):ニニギノミコトの降臨
・猿田彦(サルタヒコ)の先導
・コノハナサクヤヒメとの結婚
・海幸彦と山幸彦(うみさち・やまさち)
・潮満珠・潮干珠(しおみつたま・しおひるたま)
・トヨタマヒメの出産と正体
・ウガヤフキアエズの誕生
4 人代の物語(神武天皇以降)
・神武東征(じんむとうせい):九州から大和へ
・八咫烏(やたがらす)の導き
・ヤマトタケル(日本武尊)の東征
・草薙剣と焼津の火
・弟橘媛(オトタチバナヒメ)の入水
・神功皇后(じんぐうこうごう)の三韓征伐

5 各地の『風土記』に伝わる物語
記紀が皇室の歴史を中心に編纂されているのに対し、地方の『風土記』にはその土地独自のユニークな神話が残っています。
・ダイダラボッチの国引き(常陸国風土記):巨大な神が山を動かしたり巨人伝説の原型
・アメノヒボコの渡来(播磨国風土記):新羅の王子が各地の神と土地を争う物語
・神の網引き(出雲国風土記):出雲の神が海の向こうから島を引き寄せて縫い合わせた「国引き神話」
・羽衣伝説(丹後国風土記):天女が羽衣を隠され、地上で暮らすことになる物語の最古の形
6 異色なエピソード・あまり知られていない神話
・ヒルコ伝説:イザナギとイザナミの間に生まれた不完全な神。後に「えびす様」となる。
・オオゲツヒメの死と食物の起源:オオゲツヒメの死体から蚕、稲、粟、麦、豆が生まれたとされる物語
・ホツマツタヱなどの古史古伝:記紀とは異なる視点で神々の系譜や文字(ヲシテ文字)について記した文献
7 三大神話(舞台別)
神楽などで特によく演じられる、日本を代表する3つの物語を「三大神話」と呼ぶこともあります。
・淡路の「国生み」:イザナギ・イザナミが最初に日本を作った物語。
・出雲の「国譲り」:オオクニヌシが地上(葦原中国)の統治権を天の神に譲るまでの物語。
・日向の「天孫降臨」:アマテラスの孫、ニニギノミコトが九州の高千穂に降り立つ物語。
8 時代を下った「伝説」に近い神話
・竹取物語(かぐや姫):最古の物語ですが、神道的・道教的な要素が強く、一種の神話として扱われます。
・浦島太郎(浦嶋子):『日本書紀』や『丹後国風土記』に原型があり、神の住む他界(常世の国)へ行く異界訪問譚です。





