斜里岳を登ってみたい!

登山探検 斜里岳を登ってみたい!

 斜里岳◆(清里旧道・新道コース)

夜明けの斜里岳

道東の空に、鋭く、そして気高くそびえる知床連山の名峰・斜里岳。オホーツクの風を受けながら、清流をジャブジャブと遡るあの独特の登山体験を求めて、8月上旬、仲間と共に北へと向かいました。

駅前にあったROBERT.JULIO.BESSIN作の鳥の像
登山情報

登山の楽しみは、実は前夜から始まっています。今回はJR斜里駅前のホテルに宿を取り、元職場の仲間たちと居酒屋へ。地元の美味しい酒と肴を囲みながらの「前夜祭」は、これから始まる冒険への期待で大いに盛り上がりました。駅前には、ROBERT JULIO BESSIN氏の手による印象的な鳥のブロンズ像が、静かに私たちを見守るように立っていました。

清里荘
23年前の清里荘

実は私、斜里岳には23年前にも登ったことがあります。当時はもっと奥まで車で入ることができ、ベースとなる「清里荘」は、今よりも約1km先、標高660mほどの地点にありました。時代の流れと共に変わる山の風景。そんな思い出話を肴に、夜は更けていきました。
翌朝、下山後の帰宅時間を考慮して、まだ星が瞬く暗いうちにホテルを後にしました。登山口となる現在の清里荘へ到着し、広場をお借りして準備を整えます。

出発は6:05。歩き出してすぐに目に飛び込んできたのは、登山口の掲示板にある生々しい注意書きでした。「7月21日のゲリラ豪雨で14名がヘリで救出。余裕を持った登山を!」。一気に身が引き締まります。

いざ登るぞ!の恒例の足寄せの写真
旧道の滑め滝

気合を入れるために、登山口では仲間と「恒例の足寄せ写真」をパシャリ。さあ、いよいよ斜里岳の懐へと飛び込みます。
今回のルートは、登りにスリル満点の「旧道(沢コース)」を選びました。下二股へ到着したのは6:50。ここからが斜里岳の真骨頂、最高の景色が始まります。
「ジャブジャブと水の中を歩くのがこんなに楽しいなんて!」

登山道は沢そのもの。軽快に足取りを進めますが、岩場はところどころスリップしやすいので油断は禁物です。見上げる先には、滑らかな岩肌を水が滑り落ちる「滑め滝」が次々と現れます。あまりの美しさに、4人で滝をバックに記念撮影。マイナスイオンを全身に浴びて、疲れも吹き飛びます。

馬の背

沢を詰め、急登を這い上がるようにして「馬の背」に飛び出すと、それまでの閉ざされた沢の世界から一転、一気に視界が開けました。ここで10分間の休憩。目の前には山頂へと続く稜線が力強く伸びています。

山頂までの登山道は、岩がゴロゴロとした厳しい道ですが、一歩一歩踏みしめて進みます。途中、山の神様に安全を祈願して神社前で手を合わせ、10:25、ついに標高1,547mの斜里岳山頂に到着しました!
天候に恵まれたこの日、山頂からの眺めはまさに「最高」の一言。眼下にはパッチワークのような斜里町の田園風景が広がり、その先には青く輝くオホーツク海が。

さて、楽しみなランチタイム。みんながおにぎりやパンを頬張る中、仲間のひとりが取り出したのは、なんと「ざるそば」。この暑さの中、キンキンに冷えた(ように見える)お蕎麦を啜る姿を、周りの登山客も私たちも「いいなぁ…」と羨ましそうに眺めてしまいました。山の上で食べる蕎麦、次回の参考にさせてもらいます!

11:05、後ろ髪を引かれる思いで下山を開始。安全を第一に考え、帰りは沢を下らない「新道コース」を選びました。
しかし、ここからが本当の試練でした。新道は景色こそ良いものの、とにかく長い!特に下二股の手前にある、九十九折り(つづらおり)の急坂は延々と続き、疲れた膝にズシンとこたえます。熊見峠付近では、ハイマツの間を抜ける登山道が続き、知床の自然の深さを改めて実感しました。

竜神の池
熊見峠

道中、神秘的な「竜神の池」の姿を横目に、黙々と足を動かし続けます。
ようやく清里荘へ戻り、無事に下山完了したのは14:55。足はパンパンですが、達成感で胸がいっぱいです。
帰り道、地元の道の駅に立ち寄り、のんびりと休憩を楽しみました。すっかりリラックスしてしまい、自宅にたどり着いたのは日付が変わる頃。ハードな一日でしたが、23年前の思い出を塗り替える、最高に楽しい「登山探検」となりました。