登山探検 知床岳を登ってみたいⅠ!
知床岳◆(ウナキベツコース)
待望の知床岳を目指して、550kmの道を9時間かけて最果ての道の終点「相泊」に到着。登山ポストの位置や海岸線の状態を確認して、車中泊の場所にと選んだ漁港に到着すると 大勢の先客がいた。先客のほとんどは鮭釣りが目的で、長期滞在者が多いようだ。残念ながら登山者は、私一人であった。
登山ポストは、熊の穴食堂の向かって右手の道路縁にあり、記入を見ると知床岬への旅行者が多く目に付いた。携帯(au)は防波堤の陰では通じないが、その他ではOKのようだ。
鮭釣りは、漁港側のアイドマリ川ではなく、カモイウンベ川とクズレハマ川の河口で投げ釣りやフライ・ルアーなどで朝早くから沢山の人が楽しんでいた。成果は、 それなりに有り、鮭だけではなく50cmクラスの鱒も揚がっていた。
相泊には熊の穴食堂以外に店はなく、食料(酒も)等は25km離れた羅臼市街で購入しなければならない。


5時20分快晴の中相泊を重い荷物を背負い歩き出す。
カモイウンベ川に差し掛かると(右上の写真)早朝にもかかわらず20人以上が釣りを楽しんでいた。それぞれの川には簡易の橋が架かっていて登山靴でOKだ。ここカモイウンベ川からは観音岩までは 、見通しが良く近いように感じるが、結構な距離(相泊から4.7km)がある。また、観音岩は回り込んだ陰になって、いここからは見えない。
連なる番屋はウナキベツ川までの中間まで続き、海岸の石も昆布干しのために転圧され歩きやすい。しかし、その先 は山側に踏み跡があるものの徐々に歩きづらくなり、最後は水のない沢歩きとなる。
観音岩(左下写真)を見るとどこから越えるのかと思うが、根元のルンゼ状の所にロープがあり重装備でも問題なく通過できる。
快調な滑り出しで1時間40分ほどでウナキベツ河口に着いたものの、快晴の中水分補給を十分に行わずに歩いてしまったため軽い熱中症になり、 冷たい川の水を頭から浴び体温を下げることとなった。



ウナキベツ川は、河口手前で二本に分かれ海に注いでいる。その二本には簡易の橋(右上写真)が架かっている。
二本の橋を渡ると直ぐに左手に折れ、急な登りを設置されているロープを頼りに一気に高度を稼ぐ。この急登を登り切るとなだらかな傾斜が2.5km先のコバルトブルーの沼まで続いている。沼までの中間地点に小川が右手から流れ込んでいて熱中症の私には心地よい休憩場所となった。
沼までの道のりは、踏み跡に注意をはらえば迷うことは無いが、ひとたびガスがでると難しいものになるだろう。
ウナキベツ河口から沼まで1時間を予定していたが、熱中症で倍の時間を費やし、辛い登りとなってしまった。今日の目的は知床岳を踏み知床沼泊であったが 、この体調からして知床沼到着に変更することにし、このコバルトブルーの沼で完全にクールダウンをすべく全身を沼に浸し30分の休憩を取った。

その結果、沼から1.2km先のポロモイ大地入口まで概ね目標時間である2時間10分で登ることができるまでに回復した。それにしても、軽い熱中症も馬鹿にはできず、辛い登山を強いられた。
沼から1時間もしないで大きく崩壊した地形に出る。崖の縁で休憩を取っていると2羽の尾白鷲が上昇気流をうまく捕まえ優雅にのんびりと舞っていた。美しい姿だ!
ポロモイ台地までは、この崩壊した崖の縁を登ることになる。風の強い日やガスに覆われたときは危険だが、所々にロープが設置されている。誤って踏み外すと痛いだけではすまない。
ポロモイ台地入口の崖にもロープがあり、ここを登り崖なりに50mほど右手に進むと知床沼までのハッキリとした道がある。ここからはハイ松と少々の泥道となり、少々疲れる 時間となる。あちらこちらにピンクのテープがあるので迷うことはないだろう。

それにしてもポロモイ台地から北方領土がこんなにハッキリ見えるとは思わなかった。目の前に広がる海の左手一杯から右手一杯に国後島が広がっている。この島がロシア領であることはとても 納得しがたい。



ポロモイ台地から知床沼までのほぼ3分の2の所に池糖を持つお花畑(左上写真)がある。休憩にはもってこいの所である。実になったチングルマの群落となっていた。
ここから15分ほどで知床沼の北東角に突然と飛び出す。
6時間の予定時間に対し1時間20分のオーバーで到着した。途中ではテントが張れる時間に到着すればと思いつつ登ることもあったが、無事待望の知床沼に着いたことに感謝である。明日のことを考え体を十分に休めることにする。
テント場は意外と広いが、湿った地面が多く増水や雨の後だとテントを張るのが大変だろう。今回は湿っていたので沼から一番離れた所にテントを設置したため快適に過ごせた。
まだ昼を過ぎたばかりだというのにウィスキーのお湯割りを飲みながらのテント設営であった。疲れた体には美味しい飲み物だ!
のんびりするつもりが時間をもて余し、明日登るP1132の中腹までの散歩。ここには、湿原から10分ほどの登り口 (岩溝を渡るが、その岩溝の上流。3m程登山道から離れる。)に小さな水場があり、2リットルほど飲み水を汲んできた。

それでも時間があるので、ポロモイ岳の方向(から見た知床沼。右写真)に登ってみた。はっきりと登山道がついている。ここから知床岬に行ったとの記録がネットにあったが・・・。
知床沼の水は、淡い茶色がかった水で、ピート(泥炭)か鉄分かわからないが沸騰してから飲んでも美味しいとはいえない。味の濃いインスタントラーメンやレトルト用にはOKだ。その点、先ほど汲んできた2リットルの水はやはり水だ!
夕陽を肴に独りホットウィスキーを飲み続ける。


明日の晴天と早起きを確信してほろ酔い気分で眠りに着く。
知床の奥地での一夜であったが熊の心配をしなかった。雰囲気が熊を感じさせなかった。夜中に明るさで目を開く。月の光であった。 これもまた幻想に生える最果て知床のひとときである。
4時頃に目を覚まし、出発の準備をしながら下山のためのパッキングをする。今日の行程は、12時までに知床岳から知床沼に戻れば相泊まで下山。12時を過ぎての知床沼到着の場合は、ウナキベツ河口でテント泊と決めた。
下山用の重装備はハイ松の中に隠し、日帰り装備で5時20分軽快に出発する。P1132までは所々にテープがあり踏み跡を確認しながら進むとほぼ 迷うことなく着くだろう。ただし、大きなリュックを背負っての行動は、ハイ松やブッシュに捕まり大変だ。ましてや縦走装備での行動は時間と体力を十分に消耗するので知床沼にデポすることをお勧めする。
P1132から崖沿いに南西に進むが、背丈を超えるハイ松が多く茂っている。ここもテープが着いているが一本道ではないようだ。ここも先ほどと同じように踏み跡を確認しながら進むと難しくはない。踏み跡を見失ったら10m以上進まないこと。迷ったら原点に戻る。これを確実に実行すれば迷うことなく知床岳に着く。
この崖の中間地点からウナキベツ川の源流を見下ろす(左上写真)と遠回りせずに登れそうな気になるが、ここにルートはないのだろうか?
下の写真は、同じく崖の中間からウナキベツ河口方面とポロモイ台地を見たところである。




