一斗缶オーブン作りに挑戦

夏のガーデンパーティーに向けたオーブンづくり

8月の第4日曜日に行われる樽前山神社スカウト団の恒例行事「ガーデンパーティー」では、ボーイ隊が毎年、丸どり2羽をオーブンで焼き上げるのが tradition となっています。その本番に向けて、この日の集会では実際にそのオーブンを作ってみる練習を行いました。

このオーブンの作り方は、代々ボーイ隊に伝わる古いレシピ。かつての隊長が工夫を重ねて考案したもので、今でもスカウトたちが受け継いでいます。手順は昔ながらですが、構造はとても実用的。レンガ積みのようにブロックを組み上げ、火の力を巧みに利用する仕組みになっています。

スカウトたちは、指導者の説明を聞きながら作業を開始しました。まずはオーブンの基礎となる「壁づくり」。左右の壁はブロックを三段積みに、奥の壁はブロックを横に二つ並べて三段積みにします。これで、上から見ると「コ」の字型の形が出来上がります。中に立てる鉄筋を何本か等間隔に差し込み、横方向にも鉄筋を渡します。この上に、一斗缶のオーブンを二つ並べるのがポイントです。

材料の一斗缶は、かつて七五三の千歳あめを入れていた頑丈な金属製のもの。中に熱がこもりやすく、適度に蒸し焼きの効果を生み出します。ブロックの中に炭を入れて熾きを作り、その熱で缶を温めると、丸どりもふっくらと焼き上がるという仕組みです。この日は丸どりの代わりに、練習としてベーコンを焼くことになりました。

スカウトたちはそれぞれが担当を決め、協力しながら作業を進めます。ブロックを運ぶスカウト、鉄筋を組むスカウト、火を起こすスカウト。重たいブロックを慎重に並べながら、「水平になってる?」「もう少し右!」と声をかけ合う姿は真剣そのもの。時折、手を止めて前隊長の設計図を眺めたり、リーダーに質問したりしながら、一つひとつの工程を確認していきます。

ブロックの囲いが完成すると、次は火おこしの時間です。枯れ枝を慎重に組み、新聞紙を丸めて火種を準備。マッチの火をうつすと、ぱちぱちと小気味よい音を立てて炎が上がります。火が安定してくると、熾きが赤々と輝き、オーブンの中の温度がじわじわと上昇。スカウトたちの顔もその炎に照らされ、達成感と期待の笑顔に包まれました。

そこへ取り出されたのは大きな鉄板。これを天井代わりにブロックとブロックの上に慎重に乗せると、手作りオーブンの完成です。リーダーの合図で早速実験開始。今回はオーブをどけて鉄岸串に刺したベーコンを焼きました。その香ばしい匂いが漂い始めると、スカウトたちは思わず笑みを浮かべて鼻をくんくん。火加減を調節するスカウトの手元には小さな団扇があり、風を送りながら焦げないように見守ります。

数分後、オーブンからは食欲をそそる音と匂いが広がりました。かまどからふわっと立ちのぼる煙。焼きあがったベーコンを取り出すと、ほんのりきつね色に仕上がり、外はカリッと、中はジューシー。スカウトたちは「うまそう!」と歓声を上げながら、熱々のベーコンを少しずつ分け合い、ほおばりました。頬をゆるませながら「これなら丸どりもバッチリだね」「火の調節が大事だな」と話し合う姿に、活動の成果があらわれていました。

最後は後片付け。火おこしで使った熾火を完全に鎮火させ、ブロックを元に位置に戻し次のガーデンパーティーに備えます。重たいブロックを運びながらも、「次は本番だね」と笑い合うスカウトたち。自分たちの手で作ったオーブンで調理できた喜びと、先輩たちの知恵を受け継ぐ誇らしさを胸に、この日の活動を締めくくりました。

実際に作ってみたことで、ただの「調理器具」ではなく、工夫とチームワークが詰まった伝統の技だと体感したスカウトたち。8月のガーデンパーティー本番では、今回の経験を生かして見事な丸どりを焼き上げることでしょう。