シュナイダーコースを登ってみたい!

登山探検 シュナイダーコースを登ってみたい!

石狩岳◆(シュナイダーコース)~音更山ユニ石狩岳(十勝三股コース)

東大雪の最深部に鎮座する石狩岳。その名を冠した「石狩川」の源流を抱くこの山は、登山者にとって憧れであり、同時にその厳しさでも知られています。今回は、数あるルートの中でも屈指の急登として名高い「シュナイダーコース」を経て、音更山、そしてユニ石狩岳へと繋ぐ贅沢なループコースに挑みました。

国道273からの入口
シュナイダーコスの入口

前夜は登山口に最も近い居住地、三股(みつまた)にて車中泊。かつて林業で栄えたこの地も、今は数軒の建物が残るのみ。静寂の中に響く風の音を聞きながら、翌日の長丁場に備えて目を閉じました。

翌朝5時15分、御殿大橋を出発。国道273号線から砂利道へと足を踏み入れ、登山口を目指します。御殿大橋⇒御殿とは、かつてこの場所に、帝室林野局(皇室財産の御料林の管理・経営を行った機関)の宿泊施設(御殿)があったことからその名が付けられました。

天狗神弁慶霊の祠
シュナイダーコース・石狩岳まで4.5km

入山してまもなく、沢を渡渉した地点で一枚の看板が目に飛び込んできました。「石狩岳4.5km」「シュナイダーコース開削25周年 1986.9.15 足寄山友会」。 ここで少し計算。86年に25周年ということは、1961年(昭和36年)に開かれた道ということになります。元々は縦走路からのエスケープルートとして造られたそうですが、考案者の通称「シュナイダー」こと故・佐藤三郎氏の名を冠したこの道は、今や石狩岳へのメインルート。ここから、東大雪屈指の急登との闘いが始まります。

かくれんぼ岩
1770の分岐

標高950mから1,100m付近までは、文字通りの激登。一気に高度を稼ぎますが、ふくらはぎが悲鳴を上げ始めます。一度尾根に乗ると1,200m付近までは束の間の緩斜面。しかし、標高1,300mを越えると再び「これでもか」というほどの本格的な急登が牙を剥きます。
道中には「天狗神弁慶霊」の祠や、大きな岩が重なり合った「かくれんぼ岩」など、変化に富んだ景色が疲れを紛らわせてくれます。汗だくになりながらも、標高1,770mの分岐に辿り着いた瞬間、視界がパッと開けました。

石狩岳山頂から小石狩岳

分岐からまずは石狩岳山頂へ。8月初旬の強い日差しを受けながら、ハイマツを掻き分けて進みます。山頂からは、双耳峰の片割れである小石狩岳への吊り尾根が美しく弧を描いていました。

音更山登りから分岐方向

山頂で一息ついた後、再び分岐へ戻り、今度は音更山(おとふけやま)を目指します。音更山への登り返しから振り返る石狩岳の姿は、まさに東大雪の雄。どっしりとした山容が映えます。

石狩岳山頂
音更岳山頂

御殿大橋5:15-1770分岐7:55-8:20石狩岳8:35-8:55分岐-9:45音更山9:55-12:00十石峠-12:30ユニ石狩岳12:35-12:55十石峠13:05-14:50ユニ石狩岳登山口-15:10御殿大橋  全9:55(内0:40休憩)20.5km

音更岳山頂
ブヨ沼の水場看板
ブヨ沼キャンプ指定地

音更山周辺には、その名の通り少し湿っぽい「ブヨ沼」と呼ばれるキャンプ指定地があります。看板には水場の文字も見えますが、今回は先を急ぎます。
音更山を下り、十石峠(じゅっこくとうげ)まで来たところで、天候が少し怪しくなってきました。蓄積した疲労もあり、「今日はもうユニ石狩岳はパスして帰ろうか……」という弱気が頭をもたげます。

ユニ石狩岳
ユニ石狩岳登山口

しかし、ここまで歩いてきて、目と鼻の先にあるピークを逃すのはあまりにも勿体ない。「これが最後だ」と自分に言い聞かせ、ユニ石狩岳へ向かいました。ちなみに「ユニ」とはアイヌ語の「ウ・ニ(流木がある所)」あるいは「ユ・ニ(温泉がある所)」が由来と言われています。

急坂を必死に登り詰め、ようやくユニ石狩岳の頂へ。ガスが流れ、幻想的な風景が広がっていました。無理をしてでも登って良かった。心からそう思える瞬間でした。
十石峠まで戻り、十勝三股コースを下ります。14時50分、ようやくユニ石狩岳登山口へ到着。そこから林道をトボトボと歩き、出発点の御殿大橋に帰り着いたのは15時10分でした。

約20km、休憩含め10時間近い大山行。疲れ果てた体を癒すため、さらに山奥にある野湯「岩間の湯」へ向かいました。大自然の中で温かい湯に浸かり、今日歩いた山々を思い返すと、最高の充実感が込み上げてきます。最後は上士幌町の東大雪自然館泊とし、このエリアの自然と歴史に改めて触れて、一日を締めくくりました。

2013年の十勝三股バス待合所
三股山荘

上の地図は、十勝三股バス待合所に貼ってあったもの(2013年)を作り直したものです。今も一往復旭川ー帯広間をノースライナーがつないでいるようで、12:55帯広行、16:04旭川行が止まっているようです。
三股山荘(01564-4-2373)は、2025年5月に両親が引退されたため、6月からは娘さん一人での営業のため金土日の営業となってしまったようです。