武佐岳を登ってみたい!

登山探検 武佐岳を登ってみたい!

武佐岳■(武佐コース)

海別岳を早々に下山し、その足で向かった二座目は「武佐岳(むさだけ)」。 海別岳とはまた一味違う、根釧台地の果てに突き出すような鋭い山容が魅力の山です。5月初旬、まだ春の息吹と冬の名残が混在する中での山行記録をお届けします。

路上駐車
登山口の案内板

海別岳を下山したのが正午。そこから車を走らせ、中標津町と標津町にまたがる武佐岳へと向かいました。5月初旬、この時期の北海道は下界こそ桜の便りが届き始めますが、標高1,000mを超える山岳地帯はまだまだ雪の世界です。
まだ駐車場までの除雪がされていないので、皆さん案内板のところに路上駐車です。

登山道入り口
武佐岳憩清荘

登山口に到着すると、そこには「開拓の歴史」を感じさせる広大な景色が広がっています。ただし、全て雪の中です。武佐岳は標高こそ1,006mとそれほど高くありませんが、平原の中にポツンとそびえるため、その存在感は圧倒的です。

歩き始めは緩やかな樹林帯。しかし、標高を上げるにつれて足元は本格的な残雪に覆われていきました。5月初旬の雪は、朝晩の冷え込みで締まっていますが、日中の陽光で緩み始める「ザラメ雪」。一歩一歩の踏み込みに力が入ります。

5合目から武佐岳
武佐岳

武佐岳の魅力は、なんといってもその背後に広がる大パノラマです。振り返るたびに、格子状の防風林が美しい根釧台地がどこまでも遠く、地平線まで続いています。
山頂が近づくにつれ、傾斜はどんどんきつくなります。夏道であれば岩が露出している急坂も、今は一面の雪の壁。キックステップを刻みながら、最後の手掛かりを掴むようにしてピークへと詰め寄ります。

武佐岳山頂
山頂プレート

ついに辿り着いた山頂。そこには、午前中に登った海別岳や知床連山が、まるで屏風のように連なっている姿がありました。海別岳からこちらを見た時の逆の視点。自分たちが歩いてきた軌跡を遠くから眺めるのは、登山者にとって至福の瞬間です。

反対側に目を向ければ、青い海(根室海峡)の向こうに国後島の「爺爺岳(ちゃちゃだけ)」がぼんやりと浮かんでいました。5月初旬の澄んだ空気のおかげで、北方領土の島々が驚くほど近くに感じられます。

コル付近からの武佐岳

山頂で冷たい風に吹かれながら、今日一日で二つの名峰を制覇できた喜びを噛み締めました。下山は緩んだ雪を快調にキックしながら、あっという間に登山口へ。足には心地よい疲れが残っていました。