
登山探検 ヌビナイ右股を遡行ってみたい!
ヌビナイ川遡行◆(ヌビナイ川右股沢)



長年待ちこがれたヌビナイ川右股を単独で楽しんできた。
目的は、七つ釜、ヌプリ、ソエマツ岳と思っていたが、夜半からの雨でソエマツ岳を登らずに下山を強いられた。
ヌビナイ橋を渡りTの字を左折すると昭徳林道となり、そこから5.5kmの分岐を直進(左)し、そこから4.6kmで鹿鳴橋の分岐となる。この橋を渡り右岸林道を7.3kmで林道は終わるが広い駐車場となっている。ここからの入渓が一番早い。この地点は、N42°25′41.64″ E143°01′46.90″で、すでに熊の沢に入っているので注意が必要だ。また、増水の可能性があるときは、左岸林道を使う方が良い。
左岸林道は、4.8kmで終点のはずだが、現在終点まで入ることはできず、3.9kmから先100m程が増水で流され、先に進むことはできない。無難な所で分岐から3.6kmの川手前に駐車するのが良い。
今回は、山岳会からの忠告を守り、左岸林道を使った。その忠告は、左岸のかなり奥まで廃林道があり、増水時この林道を下りることとなり、熊の沢出合で増水した川を渡るのにはかなりの危険性を伴うことからのアドバイス。
駐車したところから約20分で目的の林道終点の駐車場に着くが林道入口を見つけることができなかった。下山時にわかったのだが駐車場すぐ手前の小さな広場?から川を直角に渡りきった所を探してみると良い。ただし、高い草に覆われているので対岸から眺めるだけではわからない。岸辺に近づき歩いた後を探すと良い。
行きはほとんど廃林道を使わなかったので、駐車したところから熊の沢出合まで1時間30分を要したが、帰りは40分と廃林道を使うとかなりの時間短縮となった。
熊の沢出合から507二股までは、淡々とした河原歩きを2時間40分。左股はかなり険悪な沢(右上写真)だが、目的の右股は開けている。しかし、5分もすると事態は変わっていた。



小さな滝を越えると大きな雪渓が川を塞いでいて中をくぐることはことはできず、雪渓に上がる。そこから見た風景が左上の写真で、このゴルジュを進むと落差の大きい狭い滝(左上の右写真が滝口から見たところ)にぶつかり行く手を阻まれる。この雪渓から右岸沿いに高巻きがあり、右上の左写真滝の手前に降りる。この滝を越えるには、頼りないザイルが張ってある右岸の大高巻きを超えるか5mほどの左岸を登るかであるが、安全性から左岸を登った。私が32kgを背負って登れるのだから大した登りではない。右上の右写真は滝口から見たところで、写真左奥に登り手前にトラバスして来る。下りにも大高巻きを使うことなく、ここを垂直降下する。
大高巻きから8分ほどでスノーブリッジ出会い、中を超えようとするが滝壺(左上の右写真)が深く泳がなければならない。へつりながら滝右岸を登れそうだが先が長そうなのでスノーブリッジの上を行く。ここから15分ほどでこの沢最大の左岸高巻きが待っていた。トラロープの所まで行くにもかなり危険な高巻きで、眼下を見ると先に進めなくなる。しかし、その先は微妙なホールドしかない岩盤の上に堆積した草付きを頼りにトラバース(右上赤いライン)しなければならない。ここにトラロープ(右上黄色いライン)が三支点で張られているはずだったが、手前の支点は小さな立木とともに崖にぶら下がっていた。登りはまだしも下りはトラバースラインが低くなって行くためトラロープとトラバースラインが交差するところがとても辛かった。
このハラハラドキドキの左岸高巻きを越えてしまえばこれからの高巻きなど問題ではない。この高巻きは単独で行ってもパーティーで行っても危険性は同じなのだろうか?ザイルを付けると下まで一気に落ちないにしてもザックを背負った滑落者を確保できるのだろうか?ここも河原を滝壺まで進んでみたが私には無理だった。



15分ほどで左岸の残雪を登り先に見える滝を巻く。
30分ほどで650m付近の2段の滝(右上の写真)に出会う。ここは右岸の高巻きとなるが右岸からの細い滝を越えトラバース(赤いライン)し進むと木々のなからか待望の七ツ釜が見える。このトラバースはさほどの危険性は感じなかったが滑落するとただではすまないので緊張して渡るが緊張もここで終わる。
はじめて見る七つ釜は、写真で見る印象ととはかなり違っていた。
まず大きさが思ったほどでなく、さらにエメラルドグリーンと言われる釜の色がくすんでいる。
その原因は、一部の釜に岩や石が詰まってしまったからのようです。昨年の日高をズタズタにした台風か今年の大雪が運んだのでしょう。
日本一と言われるコバルトブルーの七つ釜を見たかった!



上二股から下流を見る。
七つ釜を過ぎてもスノーブリッジがあったが、天井は10cm程しかなく今にも崩れ落ちそうだった。敢えてこの上にあがる必要のないところなので、右岸を通過したが崩壊したときには上でも下でも生きてはいないものと思った。
核心部を過ぎての遡航は、32kgの重さもさることながら気の抜けたコーラのようなもので疲れが出てくる。先の上二股付近に焚き火の煙らしきものを確認したときは嬉しかた。私は一番奥のサイトを選んだがこれが正解のようだ。そこには細い滝があり冷たい流れがあった。当然のようにビールの缶500ml×2本を飲み頃に冷やした。最高の時間だ。ここで32kgのリュックがものを言う。まず、ウイスキーの水割り飲みながらサイトを作るが疲れた体にはアルコールが良く浸み良いも早い。同じ所に札幌の4人パーティー「同人マタル」が居て、楽しい時間を過ごさせてもらった。

上二股に張ったツエルト風景

ここ上二股には、テントサイトが3分割さえているようだ。下流から見ると、上二股手前の右岸林に中(右上写真河原右先端部)・ソエマツ岳分岐方向(左岸)・への分岐手前左岸(左写真)だが、新鮮な水が流れている分岐手前が最良だ。
左の上写真はガレが続くソエマツ岳への風景。その下の写真はヌプリへの左股で、険悪そうに見えるが全く問題はない。
今回は二泊三日の単独行程で、ヌプリとソエマツ岳を登るつもりだったが天候と体調をを考えソエマツ岳への登頂をあきらめざる終えなかった。
翌朝快晴の中ヌプリを心地よく下山し、上二股を独り占領しての裸の宴会は最高に気持ちが良かったが、そんな思いも夜半からの雨で一変した。23時頃から降り出した雨は、2時頃には大粒となりツェルト内部に雫を落とし始め、ゴアのシュラフカバーを使うことなくゴアの雨具を着ての就寝となったが、増水が脳裏をかすめ眠りにつくことが出来なかった。4時には食事を終わらせひたすらテントの中でパッキングをし、最終食事の支度をしていた。ツェルトと炊事用具の収納場所を確保し明るくなるのを待つ。すでに沢を歩ける支度が完了していた。5時雨の間隙を待ってパッキングを完了し雨の中をゴアのカッパの上だけを着て出発する。
雨のヌビナイも乙なものであるが、あまり余裕がない。ましてや雨の中の核心部はとてもきついので、カッパをリュックに押し込んでの下山となる。時折雨粒が水面を叩き、はねっかえりのクラウンが出来るなか下山に7時間を要したが、ほとんど休憩をせず食事もかりんとう数本とリゲイン500mlのみでの下山となた。やはり増水は怖い!それと廃林道を使うと早いのが印象に残った。


